このたび、2025 年 10 月 11 日(土)、12 日(日)に「第 90 回日本健康学会総会」を開催させていただく運びとなりました。歴史ある本学会の節目となる総会をお引き受けすることになり、大変光栄に存じております。
北海道での総会開催は、第 47 回(1982 年・昭和 57 年、三木毅会長)、第 75 回(2010 年・平成 22 年、玉城英彦会長)に続き、今回が 3 回目となります。昭和・平成・令和と時代をまたぎ、15 年ぶりに札幌での開催となります。

現在、国内外において「SDGs(持続可能な開発目標)」が大きな注目を集めていますが、その達成年である 2030 年まで、いよいよ残り 5 年を切りました。本総会では、学会誌第 91 巻第1 号の巻頭言でも触れましたように、「ポスト SDGs のヘルスサイエンス:小さな物語から大きな物語へ」 をテーマに掲げ、従来の保健学・健康科学の枠組みを越えて、次代を見据えたヘルスサイエンスの在り方について多角的に議論を深めたいと考えております。

特別企画としては、国立社会保障・人口問題研究所の林玲子 所長、総合地球環境学研究所の谷口真人 前副所長のお二人に基調講演をお願いし、私も加わって鼎談を行います。社会保障・人口問題と地球環境という二つの大きな視点から、人類の健康と社会の未来について対話を深める場といたします。
また、シンポジウム1では、東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多 副センター長、北海道大学 One Health リサーチセンターの池中良徳 副センター長、そして私の三人で、地域社会におけるアクション・リサーチ、若者や市民との対話、人間と動物といった “ 小さな物語 ”を、地球規模の環境問題やプラネタリーヘルスといった “ 大きな物語 ” へとつなげる試みを行います。
さらに、シンポジウム2では、日本を代表する大規模出生コホート研究「環境と子どもの健康に関する北海道研究」および環境省「エコチル調査」北海道ユニットセンターを担う、北海道大学環境健康科学研究教育センターの教員を中心に、地域に根ざした長期的なデータの蓄積と活用を通じて、未来世代の健康を守る取り組みの展望を議論する場といたします。

本総会が、研究交流のみならず、新たな出会いや協働のきっかけとなり、一人ひとりの小さな物語が大きな物語へとつながる場となれば幸いです。
秋の札幌で皆さまと実り多い時間を過ごせることを、心から楽しみにしております。

第90回 日本健康学会総会
会長 山内 太郎(北海道大学大学院保健科学研究院)